どもっ!柔整師でブロガーのAkira(@10sei_guide)だよ!
脚長差は歩行が変わることで足だけの問題だけでなく、骨盤や腰部はもちろん、その上へも悪影響を与える。
脚長差の治療については別でまとめるけど、今回は脚長差についてとその見分け方についてまとめてみた。
参考にしてもらえればと思う。
脚長差とは
脚長差とはそのまま、脚の長さの差になる。
多くの人は普段の立ち方や使い方で少なからず脚長差が生じるわけだけど、そのままにしておくと骨盤や腰、それより上で筋緊張に偏りが出て、痛みとなっていく。
人によって脚長差は大なり小なりあるけど、痛みの改善や予防に脚長差へアプローチは1つの有効な方法で、その有効な方法を実践する前に見分け方や考え方が覚える必要があるのだ。
脚長差の治療の順番と認識
治療に関して多くの場合、脚長差から確認することは少ない。
腰が痛い、骨盤が痛い。なら○○の検査をしてみてこれが原因ですね。となり、では更にこの原因が起こる原因は何だとなって脚長差の話が出てくる。
確かに痛みの原因や不具合に脚長差があるけど、それだけに目線が行くのは他を見落とす可能性があるので、そこは注意してほしい。
本来はなぜ脚長差が生まれるのか?までアプローチする必要があるけど、最初のセッションでは「治療の介入で痛みや辛さに変化があるか」「治療介入の方法はあっているのか?」なども含めて、実際の効果を確認する必要がある。
そしてネットをみると脚長差は3cm以内なら外見上は問題ないとされる事があるとのことだけど(エビデンスがでてるのかな)、管理人にしたら3cmの違いがあってそのまま生活してたらめちゃくちゃ影響が出ると思ってる。外見上だけで人は生活しているわけじゃないからね。見えていないだけで、異常収縮などの代償は起こっている。
あなたも試しに実践してほしい。
片方だけの踵に3cmのヒールパッドを入れての生活をするとどうなるだろう?
脚長差の2つの分類
脚長差には大きく2つにわけることができる。それが構造的脚長差と非構造的(機能的)脚長差。
それぞれ確認してほしい。
構造的脚長差とは
構造的脚長差とは骨そのものの異常による脚長差になる。主な原因として
- 片側に先天性股関節脱臼の既往がある。
- 片側の脛骨に外反や内反がある。
- 成長の段階で過度に骨を作る原因がある。
- 成長が終わった段階で骨折などにより、骨が短縮する既往がある。
多いのは骨が短縮する既往だろう。
非構造的(機能的)脚長差とは
非構造的(機能的)脚長差とは筋肉や筋膜の不均一から起こる脚長差になる。主な原因として
- 片側の骨盤が前傾または後傾する
- 下肢筋の短縮
- 足部の問題(ハイアーチ、過回内足)
基本的に構造的脚長差以外のものは機能的脚長差と言える。
セラピストがアプローチする脚長差の簡単な見分け方
上記の通り、構造的脚長差は骨の問題が大きいので我々では中々改善できない事が多い。
逆に非構造的脚長差は何かの代償が原因である事が多いので、こちらはセラピストが介入しやすい。
構造的脚長差と非構造的脚長差の見分け方として大転子を参考にするといい。
- 内果を比べて場合、右長下肢
- 上前腸骨棘は均等
- 大転子が右が遠位にある
この場合大転子に何か問題があると考え、患者に既往を確認することで、アプローチして効果を得られるのか推察できる。
※もちろん構造的脚長差があったとしても身体の使い方で痛みの調節はできると思うけど、今回はあくまで脚長差をメインに考えている
簡単に言うと骨の問題はちょっと難しいけど、他のことなら頑張れるって感じかな。
脚長差の簡単な見分け方
脚長差を簡単に見分ける方法として膝の高さで判断する方法がある。
背臥位で身体をニュートラルに近づけるためにバックブリッジをしてから判断するといいだろう。
↑寝てすぐに比べようとしても、寝方による姿勢異常がでるので、整える意味でバックブリッジをする
その後背臥位で膝を90°屈曲しての時の膝の高さを比べよう。
遠位へいっている方が長下肢と言える。
もちろん踵の位置は揃えてもらう必要はある。
内果で比べてもいいだろう。
●膝の高さが一緒だけど、内果の高さが違う→膝関節や下腿の問題
●膝と内果の高さが同側が同じぐらい違う→膝より上の問題の可能性が高い
●膝と内果の高さがそれぞれ違う→あまりない
検査する時はいきなりやらないで、バックブリッジなどを行い、状態をリセットする事だけは忘れてはいけない。
脚長差の詳しい見分け方
脚長差は骨盤の傾きがポイントとなり、セラピストが介入すべきものは非構造的脚長差となる。ちなみに遠位は内果の位置を参考にするといいだろう。
そこで背臥位での骨盤の傾きについてまとめてみた。
背臥位では上前腸骨棘と恥骨結合の位置を目安に考えるといいだろう。
- 背臥位で上前腸骨棘と恥骨結合が同じ高さなら中間位。
- 上前腸骨棘の方が上にあれば前傾位。
- 恥骨結合が上にあれば後傾位。
基本はこの3つになる。
但し、脚長差という考えから左右差を意識しないといけない。例えば
- 右だけ前傾位、左は中間位
- 右は軽度前傾、左は軽度後傾
- 右は中間位、左が後傾位
などのパターンがあることを忘れてはいけない。ただこれは中間位がどこかをきちんと認識することで解決できるはず。
管理人的には本人の痛みを確認し、脚長差を確認し、骨盤の傾きを確認。って感じで進んでいく。
もちろん脚長差だけをみて施術するってことはない点には注意が必要。
背臥位と長座位での脚長差と骨盤の関係
実は背臥位と長座位では考え方が少し違ってくる。基本は背臥位で覚えておけばOK。
背臥位はそのまま立位と思ってもらっていい。荷重がかかると少し仙骨と腸骨の関係が変わるけど、まずはシンプルに考える必要があるからね。
慣れてきたら立位でもチェックするといい。
背臥位での骨盤と脚長差
- 背臥位で長下肢となる場合、反対側と比べて骨盤は前傾
- 背臥位で短下肢となる場合、反対側と比べて骨盤は後傾
これが基本となる。
これは腸骨の寛骨臼の位置による問題。
画像のように骨盤が前傾する場合、寛骨臼が少し下になる。
逆に後傾の場合は寛骨臼が少し上になる。
これが脚長差につながっているのだ。
↓左が前傾、右が後傾。基準の位置は少し違うけど、寛骨臼の位置ははっきりと異なる。上後腸骨棘の位置はほぼ一緒。
骨盤の傾きによる脚長差は寛骨臼の位置によるものだったのだ。
長座位でのの骨盤と脚長差
長座位は背臥位と逆になる。
骨盤が前傾する事で寛骨臼が尾側にしまわれるので、脚自体は短く見える。
逆に後傾位の人は寛骨臼が前に出るので長く見える。
しかし基本は背臥位でのポジションになるので、そっちを覚えておいてほしい。
骨盤傾きによる脚長差と足部の関連
骨盤の傾きによる脚長差の代償はそのまま、下の方への代償へ繋がる事が多々ある。
長い足を短く使うために距骨下関節を回内したり、アーチを潰したりすることで代償するのだ。
だから長下肢側の足は偏平足になりやすいし、外反母趾のなりやすい。
片足にこれが出ていて長下肢の場合、アプローチするのは足部だけではなく、骨盤にまで目を向けなければいけないと言える。
もちろん足だけでなく、骨盤から上でも代償は起こることも忘れないでほしい。
脚長差の判断方法のまとめ
脚長差は骨が主な原因の構造的脚長差と筋肉や軟部組織が原因の非構造的(機能的)脚長差があり、セラピストが介入すべきものは非構造的(機能的)脚長差になる。
見分け方として上前腸骨棘と内果を参考にし、骨盤が前傾しているとそちら側の脚は長くなるようになっている。
長い脚は短い足と合わせるために足部で代償する事があり、骨盤の傾きは上の方でも代償することがある。
どこをアプローチしたらいいかは別の機会に説明していこうと思う。