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四肢性の坐骨神経痛の考え方や治療アプローチ方法。マッサージでも対応可能?

 

どもっ!柔整師でブロガーのAkira(@10sei_guide)だよ!

 

坐骨神経痛は日常でも比較的遭遇する痛みで、中々治療をしていても改善できない事もあると思う。

事実管理人も中々結果が出せない事もあって、悩ましい疾患であることは間違いない。

その悩ましい坐骨神経痛だけど、中には臀部や腰部疾患で起こっていないケースもあるのをご存知だろうか?

今回はその中でも脊椎レベルでの坐骨神経痛ではなく、四肢レベルでの坐骨神経痛、つまり四肢性坐骨神経痛についてまとめてみた。

管理人の手技も合わせて紹介するので、是非確認してほしい。

 

 

四肢性の坐骨神経痛とは?

そもそも坐骨神経痛っていうのは症状であって病名ではないっていうのは有名なので、知っている人も多いと思う。

例えば「脊柱管狭窄症に伴う、坐骨神経痛」「梨状筋症候群に伴う、坐骨神経痛」がまさにこれ。

あくまで他に病名があってこその存在になる。

そして今回まとめた四肢性坐骨神経痛とは脊椎より下(神経根より遠位)の坐骨神経痛を言う。

 

エンジュ
エンジュ
ちなみに四肢性の坐骨神経痛の殆どの原因は梨状筋とされていて、およそ70%がこれにあたるらしい

 

そして四肢性の坐骨神経痛のポイントに坐骨神経の滑走がある。

坐骨神経は個人差はあるもののおよそ9〜13cm滑走すると言われているわけだけど、本来滑走するはずの坐骨神経が滑走出来ないとどうなるか?

そう、一部分のみ過度に伸長されて神経症状を起こす

もちろん合わせて持続圧迫による神経症状もある。

 

坐骨神経とは

坐骨神経はL4〜S3までの神経の集まり。人体で一番太い末梢神経とされていて、管理人も実際に見たことかあるけど、普通に太くてびっくりした。

小指とはいかなくてもそれに近い太さだった記憶がある。

 

四肢性坐骨神経痛の特徴

四肢性坐骨神経痛にはある程度共通点がある。

まずは腰痛。神経根性の坐骨神経痛は腰痛があるのに対して、四肢性坐骨神経痛にはほとんどみられない

絞扼の原因も神経根性の坐骨神経痛は骨や椎間板などから圧迫されるのに対して、四肢性は筋膜の圧迫や神経膜などの軟部組織の影響が大きいとされている。長時間の座位でも神経症状が出やすいともされている。

四肢性坐骨神経痛でうまく神経外膜をリリースできると、その場で痛みが軽減することも少なくない。

  腰痛 原因
四肢性坐骨神経痛 なし 神経鞘や筋膜の圧迫・牽引
神経根坐骨神経痛 あり 神経根の骨や椎間板による圧迫

 

四肢性坐骨神経痛のテスト方法

四肢性坐骨神経痛のテスト方法を3つ紹介していこうと思う。

梨状筋テスト

梨状筋による神経絞扼は四肢性坐骨神経痛で最も多い。その割合は70%とされていて、その点で梨状筋のテストをすることはとても有効。

座位、背臥位で股関節を最大屈曲からの内旋・内転させ梨状筋を伸張位にする。

その際神経症状が出れば陽性となる。

ちなみに梨状筋と坐骨神経の関係はバリエーションが多く、そもそもが圧迫されやすいバリエーションもある。

約7%は先天的に梨状筋症候群になりやすい。

 

ボウストリングテスト

これはSLRtestのバリエーションとされている。

SLRtestで疼痛誘発を行ったら、そのままの肢位で膝関節を曲げる。

この時痛みが減弱または消失すれば陽性となる。ちまみに神経根性の坐骨神経痛でも現れるので、固有のテストとは言えない。

 

坐骨神経滑走テスト

神経を囲んでいる結合組織には特徴があって、その中の1つに張力の弾性や伸縮性を神経に与えるというものがある。

成人の場合、坐骨神経内のニューロンは股関節、膝関節、足関節の運動で約9~13cm伸びるとされている。

これは神経外膜と周囲の筋間中隔や筋鞘、筋膜との間で滑走運動をすることを意味している。イメージ的には腱が周囲の滑液包の中で動いている感じかな。

そこでこの滑走がうまく出来ないと、神経外膜は癒着や弾力性を失ったり、硬化しスムーズな動きを失う。

これが中の神経に伝わる事で神経症状が起こるということだ。

 

背臥位で股関節・膝関節90°屈曲位から、膝関節を徐々に伸展していく。その際痛みを感じる部分の近くが絞扼されている可能性がある。

また例えば股関節を内転し症状が強くなるなら梨状筋によるものの可能性があがる。

通常このテストは腰椎の前弯が減少する為、腰椎伸展による狭窄症などの坐骨神経痛は出にくいとされている。

 

この時ポイントとなるのは大きく分けて3つ。

梨状筋部か大腿後面か膝窩となる。

 

四肢性坐骨神経痛の治療

神経外膜とその周囲の滑走がうまくいっていないで症状が出る場合、その滑走を促してあげる必要がある。

 

気を付ける事

坐骨神経症状がある患者への坐骨神経への圧迫は神経の炎症を抑えることは出来ないので、治療とならない事を覚えておいてほしい。

梨状筋のリリース方法

梨状筋のリリース方法は大転子周囲で行う。

腹臥位で膝関節を90°屈曲位で下腿をもつ。反対の手をこぶしなどで梨状筋の停止部である大転子周囲を圧迫し股関節を内外旋を繰り返す。

その際大転子の圧迫部位を少しずつずらしていくとよりいいと思う。梨状筋は大転子でも上の方につくので、その点も意識できるとよりいいね。

評価という面では梨状筋が原因の場合、股関節の外旋が圧倒的に出ないのでその点もポイント。

また筋の走行上、内転筋群、特に長内転筋なども一緒にアプローチすることで外旋を誘導しやすくする。

 

大腿後面のリリース方法

坐骨神経は大腿後面、内側ハムストリングスと外側ハムストリングスの間を通る。この筋同士の柔軟性が失われると神経の滑走を邪魔する。

梨状筋のリリースと同様、膝関節90°屈曲位で下腿をもつ。そのまま股関節の内外旋を誘導する。

股関節外旋に伴い、外側ハムを外側へ。内旋に伴い内側ハムを内側(腹臥位なので下へのイメージでもOK)へ上からの圧迫で剥がす様に力を入れる。

坐骨神経の通り道を確保することで神経鞘の癒着による牽引・圧迫を軽減する目的がある。

それぞれのハムストリングスの間に硬くなった坐骨神経が触診できると思うので、その再度を剥がすイメージで行うのもOK。

 

膝窩のリリース方法

最後は膝窩でのリリース方法となる。今度は背臥位。

股関節・膝関節を軽度屈曲とし、膝の後ろから坐骨神経の周囲を両手で把持する。膝窩上部の窪みに坐骨神経がある。

そのまま軽く牽引しながら、患者に股関節を屈曲してもらう。

そうすることで膝窩での坐骨神経の滑走を促すことができる。

くれぐれも患者の状態を見ながら行おう。

 

プラスα

おまけとして内側ハムや外側ハムがtightness(タイトネス:硬くなり動きが悪い)の原因も少し掘り下げてみるといいかもしれない。

例えば内側ハムは大内転筋と筋間中隔を介して関係があるし、外側ハムは遠位では腸脛靭帯と関係がある。このあたりの動きが悪くなると筋滑走に影響が出て神経の滑走まで影響が出る可能性もある。

あまり離れているところまで眼を向けると効率と言った面では下がるかもしれないけど、この辺りまでは意識してもいいのでは?と考えている。

 

まとめ

以上で四肢性坐骨神経痛の考え方とアプローチ方法の解説は終わりになる。

坐骨神経痛は神経根かそれよりも遠位の四肢性の坐骨神経痛かにわけられる。

四肢性坐骨神経痛は梨状筋での圧迫が70%とされていて、他には大腿後面や膝窩部が考えられる。

それぞれの筋肉と坐骨神経を覆っている軟部組織が癒着をすると神経は圧迫・伸張されやすくなるので、それを剥がして神経症状を改善するというのが四肢性坐骨神経痛のアプローチとなる。

是非今回の記事を参考に治療の幅を広げてもらえればと思う。

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