広告 筋膜について

筋膜と温熱効果について。効果が出やすい温度と悪循環とは?

 

どもっ!柔整師でブロガーのAkira(@10sei_guide)だよ!

 

一般的に温熱については多くのセラピストが効果について理解していると思う。

実際臨床データや実験では「筋膜は温熱により弛緩・リラクゼーションされる」とされている。

今回は生理学的・病理学的では温熱は筋膜へどんな影響があるかの説明になる。臨床応用についてもチェックしてほしい。

 

温熱効果を知る為に収縮の過程を確認しよう

骨格筋は筋線維で構成され、筋線維は筋細胞が集まって組織化されている。

これは特に問題がないはず。収縮と弛緩については下記のとおり。

筋収縮について

筋収縮は内部に貯蔵されているカルシウムイオンが筋小胞体から放出されることで起こり、収縮性の蛋白を活性化させる。

ミオシンはATPアーゼとしてアクチンフィラメントに対してクロスブリッジを連結する事で力を発揮させる。

筋の弛緩について

筋の弛緩はATP消費ポンプと呼ばれる筋小胞体ATPアーゼによって筋小胞体内にカルシウムイオンを再吸収されることで生じる

エンジュ
エンジュ
この辺のATPアーゼについて興味がある人は各自調べてほしい。管理人はよくわからない

 

そしてポイントはエネルギーは解糖と呼吸鎖によって補充されるけど、全てのこれらの働きは温度に依存するとされている。

 

筋膜の粘弾性と温度の関係

筋膜の粘弾性はフィラメントの特定の成分や特性、化学的な結合、水の作用によってきまる。

筋膜の温度を40℃以上にすると、組織の剛性は減り伸長しやすくなる。逆に冷却は合成を高める事になる。これは脊柱の靭帯でも同様とのこと。

エンジュ
エンジュ
熱により筋膜は緩みやすくなるってことは、いわゆる筋膜リリースは温熱を入れてからやった方が効果は高そうだね

筋膜の粘弾性が高くなる(ゆるむ)→筋膜は動かしやすくなる→可動域増大

逆に低い温度の場合は粘弾性も低くなり、動きがかたくなる→ある種の安定化

ちなみに骨格筋自体の反応も温度が高い方が反応がよくなる。

 

筋膜と痛みについて

痛みを伴う拘縮やROMの減少は骨格筋周囲にある硬いコラーゲン組織と関連している事が多く、それに関わる他の結合組織も同様とされている。

外傷や炎症、運動単位の過活動によって筋膜が損傷すると筋膜のインバランスが組織を再構築してしまう。

<運動単位の過活動について>

運動単位の過活動は脳卒中のような中枢神経系疾患などで生じる。

下位運動ニューロンが抑制されていないため、運動体は絶えず過剰に活動する

組織学的にこれらの再構築されたものは筋線維に絡まり、結合組織の増加、エラスチンとコラーゲンの割合の変化、筋線維芽細胞の浸潤となっている。そして一般的に瘢痕組織でみられ、収縮能力をもつ。とても強固。

五十肩、デュプイトラン拘縮、ぺイロニー病などが筋膜との関連が強いとされている。

筋線維と筋線維芽細胞について

筋線維芽細胞は温度による影響についてははっきりとされていないけど、骨格筋と比べて収縮は遅い。平滑筋に近い感じ。

その為、持続的かつエネルギーを消費しにくい収縮形態といえる。

 

筋膜の病的な状態の悪循環について

病的な状態では結合組織の割合は増加している。

そして結合組織が増加すること組織の粘弾性に影響する。結果、可動性や筋膜のインバランス、痛みの伴う収縮へと進行することとなる。

なら組織の伸張性を出すために、上記にもあるように熱を発生させる為に動いては?となるけど、この状態では関節を動かしたりなどで熱を発生させることは難しい。

粘弾性が低下した状態は筋膜の伸張性を低下させ運動制限がかかりやすくなる。運動制限は自発的な熱の産生を低下させるため、さらに硬さが出る。

更に骨格筋は使用しないと結合組織に置換されやすく、結果的にそれも運動制限となる。

この様に温度による筋膜の弛緩性が足らないと悪循環に陥ってしまう。

 

実際の温熱治療について

治療での温熱の適応は40℃までとされており、実際の報告として膝関節の拘縮による可動域制限の改善にあるとされている。

超音波の深部温熱もROM改善に効果があることに明らかになっている。

エンジュ
エンジュ
ここでの40℃というのは器具の設定温度ではなく、筋膜温を指すんだろうね

つまりお風呂1つとっても、ゆっくりあったまる人と毎回シャワーで済ませてしまう人では腰痛をはじめとする、筋膜の問題が起こりやすいと起こりにくいかが違ってくることが予想される。

温熱療法の禁忌

温熱療法にも当然禁忌がある。

  • 急性炎症がみられるもの
  • 皮ふ病変があるもの
  • 神経損傷があるもの

まあこのあたりは当たり前のことになる。

 

温熱の実際:胸腰筋膜の治療

腰痛患者の厚い胸腰筋膜には筋膜の瘢痕が問題だと認められている。

腰部の温熱治療は筋膜の拘縮を軽減させるのに有益である。

よい活動に近づけ、機能障害の軽減に役立つだろう。

 

筋膜と温度の関係のまとめ

筋膜は40°ぐらいを目安に伸張しやすくなり、骨格筋の収縮スピードや力の向上などの反応もあがる。逆に寒冷は伸長しやすくはないが、安定性には働く

筋膜の伸張性の低下は自発的な可動域に制限をかける。その結果動きが悪くなり熱の産生も低下する悪循環となる。

筋膜の可動域制限による骨格筋の正常な収縮の阻害は結合組織を増やす結果となってしまう。

その為温熱治療による筋膜の弛緩を得る事は治療より治療効果を上げる事に役立つだろう。

特にここ一番で筋膜へアプローチしたいのなら、温熱治療後施術してみては?

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