どもっ!柔整師でブロガーのAkira(@10sei_guide)だよ!
肩甲骨は筋肉に浮かんでいると表現することが多い。
実際その通りで、骨による安定化は少ないと言える。
その為筋緊張などによるアンバランスは肩甲骨の位置異常を簡単に引き起こし、結果として他の部分の負荷が強くなって痛みとして出現する。
この時何が肩甲骨にとって悪い要素となるのかが推察できると治療の献立は作りやすく、スムーズにいくと思う。
そこで今回は肩甲骨の位置と関連筋肉についてまとめてみた。
肩甲骨の位置と関連する筋肉を手っ取り早く知りたい人はチェックしてほしい。
肩甲骨の位置と特徴
肩甲骨を前額面で考えると、それぞれランドマークによるチェックが必要になる。
肩甲骨の内側縁は脊椎の棘突起から男性は約7㎝、女性は約5〜6㎝となり、左右の内側縁と棘突起は平行となる。
肋骨の高さからチェックすると上角は第2肋骨、下角は第7肋骨とされている。肩峰は第1肋骨の高さの場合もあるけど、基本は2〜7と覚えておこう。
矢状面では肩甲骨は前額面から前方に約35°傾斜しているとされている。ちなみに上腕骨は近位と遠位が同じ直線上となっている必要がある。
肩甲骨のアライメントに関わる筋群
肩甲骨は教科書で書かれている以上に動く方向が多い。
どこが短縮し、どこか伸長してしているか確認してほしい
挙上、下制に関わる筋肉
肩甲骨の挙上には僧帽筋上部、肩甲挙筋、菱形筋が働く
下制には僧帽筋下部線維が関連する
外転、内転に関わる筋肉
肩甲骨外転には前鋸筋、小胸筋が関わり、小胸筋は前傾にも関わってくる。
内転には菱形筋、僧帽筋中部線維が関わってくる
上方回旋、下方回旋に関わる筋肉
上方回旋には僧帽筋
下方回旋には広背筋、菱形筋が関わってくる
前傾、後傾に関わる筋肉
肩甲骨の前傾は肩甲骨下角が持ち上がるような動作を指す。肩甲骨外転と共に不良姿勢の代表。関わる筋肉は小胸筋。
肩甲骨の後傾は僧帽筋下部線維と前鋸筋が関わってくる。
上腕との複合動作
上腕骨との複合動作の理解も大切となる。どの筋肉が働くか、どの筋肉がtightなのかを理解してスムーズな動きを出してあげよう。
上方回旋の複合動作について
肩甲骨の上方回旋に伴って上腕骨が外転する事で上肢は挙上できる。
この時僧帽筋上部線維の上方回旋+挙上、僧帽筋の下部線維の上部回旋+下制が同時に働くことで挙上と下制が相殺され、純粋な上方回旋となる。
更に僧帽筋中部線維の内転+上方回旋、前鋸筋の外転+上方回旋が同時に働く事で内転と外転が相殺され上方回旋が生じる。
上腕が外転するということは棘上筋が先に活動し、三角筋中部線維が働くことで生じる。
更に上腕骨の上方変位を防止するため、小円筋、棘下筋、肩甲下筋が働き安定性を高める。
下方回旋
肩甲骨の下方回旋に上腕の内転動作に関連する筋肉は三角筋中部線維、棘下筋、小円筋、大円筋も働く。
肩甲骨の下方回旋の複合動作は菱形筋の挙上+下方回旋と広背筋の下制+下方回旋により、挙上と下制が相殺され純粋な下方回旋となる。
上腕の内転が加わると三角筋後部線維、棘下筋、小円筋、大円筋が働く。
でも通常の生活で肩甲帯の下方回旋って使わないじゃん?と思われがちだけど、実は大切なポイントとなる。
アプローチポイント
腕を上げる動作っていうのは肩甲骨の上方回旋が必要不可欠なのは誰もが理解していると思う。
逆に言うと下方回旋に作用する筋群がtightだと上方回旋を阻害するので、上方回旋が低下→挙上痛となる。
つまり上方回旋を誘導するのには下方回旋へのアプローチも有用となってくるわけ。
もちろん上方回旋に関する筋群の機能低下も重要なのはいうまでもない。
そして意外と多いのが上肢挙上から下げるときの痛み。
これはさっきの逆で本来下方回旋が必要なんだけど、上方回旋の筋群の弛緩がうまく出来ないと痛みとなる。
また下方回旋の筋群の単純な収縮能の低下もポイント。
『挙上から戻すときの痛みは上方回旋筋群の脱力と、下方回旋回旋筋群の収縮能の再獲得が必要』となるだろう。
おわりに
肩甲骨の位置異常は短期的な問題は出にくいけど、長期でみるとパターンによって様々な問題となって出る。
今回紹介した内容を理解していれば、いざという時にシンプルに考える事ができるはず。
このホームページでも肩甲骨周りの話はそこそこ出てくるので是非理解してほしい。